リリース: 2011/5/25
分類: VOCALOID
ジャンル: オルタナティブロック、エレクトロニカ


2011年5月25日、配信限定でリリースされたゆにPの1stアルバム。
同6月12日には2ndアルバム『Umbrella』のリリースも控えてますが、
まずはこちらの感想をしゅたたたーと殴り書きしたいと思います!! ていうかします!!!!



最初に目を引くのは、ARiKEMさんによるアートワーク。
白と赤の世界に佇む、こちらを振り返る初音ミクの姿。
頭身やポーズは、ゆにPによるリクエストらしいです。わお!


音の方は、全体的に音の質(音質じゃなくって音の質ね!)が、思いっ切り底上げされてました。 
友達募集Pによる凄腕マスタリングの成果でしょう。
本当ね、音が輝いているんですよ。動画の音と比べて。煌々と。 
素人の耳でも分かるくらい違う。かなりいい仕事してると思います。GJ。 

あとは、全曲がリメイク、リアレンジされていたこと。 
特に『セヴンゴートセクター』『スケルツォーネ』。
この2曲は、動画の音から見違えるほど変化していました。
個人的にどちらもかなりツボでした。詳しくは後述。

ではでは、ここからは1曲ずつ感想を投下していきます。曲タイトルをクリックすると、それぞれのニコニコ大百科の記事にジャンプします

■Tr.1 「パラドックスガール」
 アルバム表題曲。 
冒頭の突っ走るドラム、そこへギターがねっとりへばり付いたと思ったら、シンセ全開の派手なセッション。
アルバム一発目にもってこいな、豪快ななイントロで一気に引き込まれます。
2009年7月にニコニコ動画で公開され、同12月にリメイクされてるから、今回が2度目のリメイクになるのかな?

■Tr.2 「セヴンゴートセクター」
アルバム収録曲のうち、最も大幅にアレンジされた曲です。 
まずイントロから違う。動画では誰かが走ってくる足音だったところが、ラジオのスイッチを入れるような音に変更されて。
それ以外にも、ところどころの音がめっっっっっっっっちゃ練り込まれてて。
パワー3倍増し、10倍増しの、鬼の形相の恐ろしい迫力を感じました。 
もう楽曲のストーリー自体を書き換えたんじゃないかってくらい、曲の進行がガラッと変わってて、これはね、もうね、ガチですわ。最高です。

■Tr.3 「ストロベリードウル」
ゆにPが初めて公開した曲。
動画の投稿が2009年4月だから……もう2年以上経ってるのか?!
曲の構成は大きく変わってないものの、リテイクにより音が格段に良くなっています。
この頃から追っかけてた身としては、いろいろと感慨にふけっちゃいますね。むふふ。

■Tr.4 「マイラストグラヴィティ」
収録曲の中では、比較的新しい曲(2010年7月投稿)。
ここまでロックづくしで全力疾走だったけど、ここで一旦箸休め。
バンドサウンドを排した、ハープの調べが美しい、荘厳なエレクトロニカです。 

■Tr.5 「ミウ」
この記事書いてるヤツが一番好きな曲です。 
聴き所はサビの爆発、そして間奏で一旦ボルテージを下げ、再び勢いよく持ち上げるところ。
そして、その後に続くギターソロが、全力で泣かせに来るんです。
この感覚は聴かなきゃ分からない。なのでみんなで聴きましょう。いや聴こう。というか聴くんだ!!! 

Tr.6 「サヨナラエイプリル」
Tr.3 「ストロベリードウル」の翌日に発表された、初期の作品。
この動画でARiKEMさんのイラストを起用したことで、今日に至るまでのナイスコンビが結成された、という実に深い因縁を持った曲でもあるのです。
こちらもTr.3と同じく、2年の月日を経て音の質がとんでもなく進化しています。

■Tr.7 「スケルツォーネ」
Tr.2 「セヴンゴートセクター」に次いで、大幅にアレンジされた曲です。
まず、ボーカルが差し替えられている。動画ではボカロ小学生こと「歌愛ユキ」が歌っていたけど、ここでは初音ミクに置き換えられています。
あ、言い忘れたけど、このアルバムは全部初音ミクが歌ってて、さっきチラッと触れた2ndは初音ミク歌愛ユキが半分ずつ歌ってるんだそうです。 本人いわく、2ndもとんでもない出来らしいんで、6月12日を超楽しみにしつつ、とりあえず話を1stに戻そう。

差し替えられたボーカルですが、……うん、やっぱり滑舌はミクの方が良いねw
いつもに増して難解な歌詞が、ここではスッと頭に入ってきます。
それ以外のアレンジに関しても、間奏の「ERROR」と呟く辺りががっつり作り変えられてたりと。
原曲のユキの不安定感も好きだけど、ミクに歌わせたことで安定感を得て、その代わりに寂しいほど透き通った音になっていたりと、どちらも憎めないくらい素敵な雰囲気を備えていたりするのです。

■Tr.8 「ハナユリトラオユエ」
ストーリーはTr.6 「サヨナラエイプリル」と繋がっていたり。
どことなく和風な音が、しんみりとした哀愁を誘います。
このアルバムで最も安定した、堅実な構成の曲であり、
全体を土台でがっしり支えているような位置づけだと感じました。 

■Tr.9 「カラレス
最後から2曲目ということで、このアルバムもいよいよクライマックスです。
まさにラストへ向けて走り抜けていくような、前向きな力強さを前面に押し出したトラックです。

そもそも、この曲はいろんな意味で「異例尽くし」でした。
作詞は唯一他の人が手がけていて(ここではkneeさんですね)、音の選び方もとにかく明るくて。ニコニコ動画では、そういう音使いをする作家さんが多いためか、「いつもより普通だね」というコメントが散見されたのを記憶してます。
たしかに、この曲だけ聴いたらそう思う人が出るかもしれません。しかし、ここで考えるべきは「ゆにPが、あえてこういう曲調で発表した」ことだと考えています。 
ゴリゴリのオルタナティブ・ロックで責めてきたゆにPが、この「カラレス」に込めたメッセージ。
このアルバムを通して聴いて、その”文脈”でこの曲を聴くことで、1曲単独で聴いただけでは得られない、新たな感じ方、考え方が出来るようになるのではないでしょうか。 

■Tr.10 「アンプラグド・ハート」
新曲。このアルバムのラストトラックです。アンコールはなし。
この曲が作られた時期は、Tr.4「マイラストグラヴィティ」とほぼ同時期。
なので、出来立てホヤホヤというわけではないようですね。
ちなみに、友達募集Pと組んで最初に仕上げた音源だそうです。

イントロやアウトロのピアノが、とにかく魅せてくれます。
アルバムのラストに相応しい、静かで壮大なバラード。
アルバム全体を駆け巡った余韻を全部吸収して、ふわっと着地させてくれます。



……

……総評。

ロック好きなら買おう。エレクトロニカも好きなら尚更買おう。
iTunes Storeで買うならここからAmazon MP3で買うならここから(こっちの方が若干音質高いかな?)。
KarenTレーベルの商品詳細にはここからジャンプできるよ! 

ちなみに、ゆにPの代表曲であるところの「トウキョウエンドロウル」がこのアルバムには収録されていないようですけど、シングルとしてすでに配信されていたりするので、欲しい人はこっちもポチるといいことあるかもですね